パダウナビでは、コロナ中海外渡航が事実上ストップしているさなかの2021年以来ずっと特定技能人材のサポートを行っています。現在支援している人数は50人を超えました。
パダウナビにとって支援第一号だった特定技能のミャンマー人男性は、今年になって勤務先の飲食店で副店長となりました。
一方で、支援の立場上人材側からと企業様の両方の視点から、仕事上の悩みや相談を受ける機会が多くあります。その中で企業様からのダントツの相談は人材不足と、その原因となる離職についてです。
外国人人材の悩み1位。離職率!
弊社では主に外食産業や介護産業の企業様からの求人を受け、
「外国人の雇入れ、ビザ取得、渡航してからの空港送迎携帯契約・住民票等諸手続き、そして就労開始後のケア、その後のサポート」
まで全て一括した流れを他の期間に移管することなく自社で行っております。
企業様の直面している大きな問題の一つが、従業員の離職率の上昇です。
とりわけ外国人を雇用し、社宅として法人契約で部屋を契約したり、初期費用を払ったり、家電製品等を用立てることにした企業様の場合は、日本人を雇用するよりも初期費用がかかっています。
国内からの雇用・ミャンマーからの雇用かにかかわらず、高いコストをかけ教育にも時間をかけ雇い入れた外国人の離職率を下げ、長期間定着し就労してもらうことは企業様にとって非常に重要な課題となってます。
どうしたら外国人人材が定着する職場になるのでしょうか?
統計による離職理由
この課題は何も外国人人材に限ったことではありません。
政府が発行している雇用動向調査結果を見てみると、離職率が高まる主な理由は
「人間関係の悪化」
「管理者の行動」
であるとされています。
参照:令和4年 雇用動向調査結果の概要
これは、従業員が職場においてコミュニケーションの取り方や、上司との信頼関係、職場の雰囲気等にストレスを感じることが原因となっています。
そして、パダウナビで外国人人材から聞き取ってきた、転職を考えているという相談事由の中でも大部分を占める理由となっています。
就職後、すぐ退職の例
就労後2か月弱で退職してしまった例ですと、職場であるレストランの複数名のスタッフに初日から心無い言葉を投げかけられて、心が折れたというケースがありました。これはとても極端な例ですが、新人に対して複数で孤立させるという環境であれば日本人だろうが外国人だろうが耐えかねたはずです。離職率を下げるためには、人間関係の悪化を防ぐこと、そして管理者自身が行動を改善することが必要不可欠です。日本人が辞める職場は外国人も辞めるのです。
ほかに実際に相談にあったケースでは「質問したいのにいつもイライラしていて話しかけると怒鳴りつけられる」とか「日本語がつたないことをからかわれたりする」というようなことです。
このようなことが職場で度々重なると、その原因となっている人から離れたいあまり、現状の給与や家賃等他の条件が良かったとしても転職を決心してしまいます。
一方で、よく定着している職場で働いているミャンマー人からよく出てくるのは以下のような特徴です。
- ● 責任者(店長)に相談しやすい
- ● バイトさんたちと仲が良い
- ● いやなことを言ってくるお客さんが来た時、かばってくれる同僚がいた
- ● 季節ものの生活用品を差し入れしてもらった
- ● 仕事のことを質問するときに緊張しないで聞ける
働き手がこのような気持ちで過ごしている勤務場所ではコミュニケーションがとりやすく、働きやすい空気が流れているようです。
定着する企業の特長
このことから、人材がすぐに辞めないで定着する企業(勤務場所)の特長、それは「一緒に成長しよう」という強い意志がどれだけ通貫しているかなのではないかと思います。
外国人従業員を大切にし、働きやすい職場環境づくりを行おう、という気持ちを事業の責任者が持っていることは特定技能人材の雇用において当然必要ですが、トップだけではなく、事務所ごとの責任者たちも共通してその気持ちを持つことが求められているかと思います。
配属先の同僚が
と思っているのか、
と思っているのか、その違いはかなり大きいです。なぜ外国人人材を雇用するのかについて、既にいる従業員たちと共通の認識をもつことが重要かと思います。
離職率は、企業の利益や成長にも深く関わる問題です。人材の離職率を下げるため、ミャンマーがどんな文化の国であり、どんな考え方をする傾向があるかの理解度を上げる必要があります。さらに、これは個人単位で異なることですが、その人材はどんな人間なのか、どんな業務が困難と感じているか、どんな努力をしているかといった観察をした上、「一緒に成長していこう」という気持ちを都度伝えていくことが必要だと感じます。
パダウナビでは現地採用活動を定期的にサポートしております。お気軽にお問い合わせください。